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〈留学に行くかどうか迷っている人、見てください!〉
初めまして、トムです!
僕は新卒で入った地方銀行を2年で辞め、24歳でフィリピンへ語学留学に行きました。
『何があったの?』
『留学の目的は?』
『銀行辞めるの怖くなかった?』
『次の仕事見つけずに辞めたの!?』
これらの答えを書きながら、田舎で働く1人の銀行員の世界が広がっていき、留学を決意するまでのストーリーを書いていきます。僕のブログが、留学に行くかどうか迷っている人の後押しになれば幸いです。フィリピン留学中の記事はまた別の記事で書くのでぜひ見てください!
まず、自己紹介から…
- 年齢:25歳
- 出身:四国地方
- 経歴:国立大理学部 ⇒ 地方銀行を2年で退職 ⇒ 3ヶ月間フィリピンへ語学留学 ⇒ ワーホリに向け日本で英語を使ったアルバイト中
- 英語力:
○大学3年…TOEIC655点。会話は×。
○留学前…TOEIC715点。簡単な英会話はOK。
○留学後…TOEIC835点。場慣れした。詰まりながらも言いたいことは言える。ネイティブの英語の聞き取りはまだ難しい。
目次
きっかけはアメリカ人宣教師!?
それは、銀行員1年目の頃、図書館で資格勉強をしていた時でした。
勉強が終わり図書館を出てすぐのところで、突然外国人と日本人の女子2人組に話しかけられました。振り返ると外国人の方は金髪クルクルロング。こんな可愛らしい外国人に話しかけられる理由は思い当たらず、困惑と喜び、2つの感情が湧き上がりました。

「I like your hair!! 」
当時の僕は銀行員にふさわしくない強めのパーマをかけ、前髪を上げていました。
「Thank you! You too!」
と苦笑いで返す僕。それ以上は英語がでてきませんでした…
その後はもう片方の日本人と日本語で会話を続けました。どうやら彼女たちはキリスト教の宣教師で、1年半の間、日本各地でボランティアの宣教活動をしているという。そして、その活動の一環として週一回の無料英会話教室を教会で行っているとのこと。僕に話しかけたのも、
「神様について詳しく知りませんか」
「英会話に興味ありませんか」 というものでした。
正直、宗教勧誘に対しては怪しいイメージがありましたが、彼女たちの明るく優しいオーラは、そういったものを一切感じさせませんでした。銀行の仕事で英語を使う機会はありませんが、以前英語の模擬試験の採点アルバイトをしていたほど、英語には多少の興味はあったので、とりあえず週末教会に行くことを約束しました。
別れ際、
「Travel safely!」(気をつけて帰ってね!)
というネイティブの”travel”の使い方に、うわ、なんかかっこいい!と少し感動しました。すごく何気ないことですが、
この瞬間が生きた英語に対する興味の始まりだったかもしれません。
教会の無料英会話教室

不思議なもので、家から2kmの距離にあるその教会は、「こんな建物あったんだ」というほど街になじんでいました。建物の構造やシンプルすぎる外観は、日本の建物とは異なっているにもかかわらずです。教会だと知らなければ街を歩いていてもこの建物を認識しないだろうとさえ思いました。
中に入ると、30代~60代の方々が6人ほどいました。彼らのほとんどはクリスチャンではなく、いろんな理由から英語を学んでいる方々です。和やかな雰囲気で始まった英会話教室ですが、授業というより、“英語でおしゃべりしようの会”という感じでした。
アメリカ人のその宣教師と参加者とのゆるい質疑応答が繰り返されるのですが、ついに僕の番!ドキドキしながら彼女の話す英語に集中しました。
全く聞き取れない!単語同士がめちゃつながってる!
隣の席のおじさまに助けられながら、なんとか求められた自己紹介をすることはできましたが、1時間の授業が終わった頃にはどっと疲れていました。日本語以外の言語を使ってコミュニケーションすることがこんなにも疲れるものだとは思いませんでした。
宣教師たちはいつも明るく、誰にでも前向きな言葉をくれます。そのおかげで授業はいつも楽しい雰囲気で、また来週も来たいと思うようになりました。社会人になって新天地で働く僕には近くに友達がおらず、僕にとって英会話教室は居心地に良いコミュニティになっていたのです。

初めてできた外国人の友達

「How are you, bro!!!」
毎回英会話教室に参加していたインドネシア人のレオ(仮名)。それが僕が初めてできた外国人の友達でした。レオはその教会の教会員で、日本語は話せませんが英語は堪能でした。
彼が参加している理由もきっと僕と同じ”コミュニティ”だと思いました。彼は会う度に力強い握手と、どう返すべきかいつも迷う “How are you?” を言い放ってきます(笑)
僕は彼から”生きた英語”をたくさん学びました。みなさんは以下のフレーズを高校で習いましたか?知っている人もいるとは思いますが、これらはネイティブ達が頻繁に使う英語表現です。
・~, right?(~だよね?)
・Got it! (分かった!了解!)
・~, though.(まあ~だけどね)
僕は彼がよく使う英語表現を真似て会話の中でこっそり使っていました。それが通じたときの感動は癖になります笑
ある日、彼は英会話教室に友達を連れてきました。インドネシア人のスティーブン(仮名)です。英会話教室以外でも彼らとはよく一緒に遊びました。誕生日パーティーに招いてもらったり、共通の趣味のギターを教会で弾き合ったり…。
外国人の友達を作ることは英語上達に有効だといいますが、まさにその通りです。スラング等の生きた英語が学べ、彼らの文化が学べ、視野が広がります。何よりも、1人の友達として、その人のことをもっと知りたい、おしゃべりしたい、楽しいことを共有したいという気持ちが英語学習のモチベーションになるのです。
英語を通して広がる知見
英語学習を続ける中で、興味は宗教にまで広がります。
彼女たち宣教師の目的は、あくまで彼らが信じる教会の教えを広めることです。英会話教室の授業の最後には毎回教会の教えを紹介しれくれるのですが、その内容は20代前後の女子の口から出てくるとは思えないほど達観したものであり、一体どんな経験をしたらこの境地に達するのかと疑問に思いました。
英会話常連のおばさまに訪ねてみると、「小さいときから、そういう環境で育ってるからね~」とのこと。
イスラム教のスティーブンも、日本人にはない”ポジティブさ”や”メンタルの強さ”があるように感じました。
その後、哲学好きな僕は、宗教に関する知識を身につけようとBOOK・OFFで本を数冊買い勉強しました。

『宗教と科学の境界』『日本人の宗教観』『宗教と政治』『宗教と経済』
...おもしろい!これは社会人に必要な知識だ!
理系出身かつ、日経新聞を毎日読まないといけない銀行員の僕にはそう思えました。しかし、24年間宗教に無関心でいた僕にとって、宗教に関する知識を身につけることはできても共感は難しいと感じました。世の中には、無宗教から何かの宗教に入信というケースはよくありますが、僕にはまだ”信仰する”とはどういうことかに対する理解が足りないのでしょう。こうして世界への興味が徐々に膨らんでいきます。
ちなみに、宗教と言語は密接に関係しています。キリスト教の死生観がそのまま英語表現に出てきているものって結構ありますよね。例えば、
・”pass away”(”死ぬ”という意味)は死を通過(pass)と捉え、来世=天国への移行を示唆
・”God bless you.”(神のご加護を)はくしゃみをした人を気遣うフレーズ。
このように、英語を学ぶことで新たな知見を手に入れることができます!
お酒を飲むと英語が話せる!?
英会話に通い始めて半年ほどして、レオとスティーブン、宣教師たちと知り合いのライブハウスに行くことになりました。僕以外全員外国人です。ちなみに7人中4人がギターを弾けます。

そこはライブハウスとカフェが融合したようなお店で、中にはステージとマイクと楽器があり、客は飲み食いだけでもOK、歌ってもOKというもの。観客は他に10名程。僕たちは代わりばんこに好きな曲をギターで弾き語りしました。みんなの曲は
“Take Me Home, Country Road”
“Blowin’ in the Wind”
“Perfect” などゆったりとした曲や賛美歌も。
僕はこの日のために”Until I Found You”を練習して披露しました。
心地よい音楽に当てられながら唯一お酒を飲んでいた僕はあることに気づきます。
いつのまにか英語のミスを気にせず彼らと自然にコミュニケーションがとれていたのです!
そして、ただその時間を楽しんでいました。普段の僕は文法を意識しすぎて言いたいことを言いそびれたり、聞きとれなかったときに聞き返すことを躊躇したりしていましたが、不覚にもお酒が背中を押してくれたんですね。
国籍も違う、肌の色も違う、信条も違う、共通しているものは英語……。
英語が話せるってこんなに楽しいんだと本気で思いました。

アメリカロードトリップ

“生きた英語”を学び初めて1年、仲良くなった”元”宣教師たちと9日間のアメリカを旅行することになりました。この経験も、銀行を辞め留学に行くことになったきっかけの一つになるのですが、長くなるので、今後別の記事で書こうと思います。
英語が話せるようになる感覚
翼が生えたような感覚
それが、英語が話せるようになっていく過程で感じたことでした。今まで絶対にできないと思っていたことが徐々にできるようになっていくのです。自分の成長ほどやりがいに繋がるものはありません。
僕は銀行員として働きながら、金融関係の資格勉強をせず、英語の勉強を続けました。24年間生きてきて、これほでまで何かにのめり込んだことはありませんでした。
そして、TOEIC700点以上を取り、会社から数万円の資格手当をもらった2024年の秋、留学を本気で考えるようになりました。
留学決断の時
僕はこれまで大小問わずいくつかの”挑戦”をしてきました。
・偏差値43の高校から難関大学
・50ccの原付で北海道半周
・スカイダイビング
どれも長い間やりたいと思い続けていたことです。
失敗や尻込みも多くしてきて、学んだことがあります。
「本当にやりたいことをやるかどうかしばらく悩んだら、あとは勢いでポチるだけ!」
解説します。
難関大学に合格することは難しいです。原付で北海道半周するのはきついです。でも最初の一歩は物理的に非常に簡単です。志願書に志望校の名前を書いて出せばいい、北海道行きのフェリーの予約確定ボタンをポチり、金を払ってしまえばいい。それらをしてしまえば、後はそれに向けて準備するだけ。
逃げられないように自分を追い込む環境をさっさと作るのです!!!!
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もう、留学する理由は十分すぎるほどありました。
将来は英語・海外に関係する仕事がしたい。
もっと彼らとスムーズに話したい。
もっと世界を知りたい。
ボーナスも入った。
留学エージェントに面談依頼をするボタンをポチってからはあっという間でした。
2回目の面談で本契約をして70万円振り込み。飛行機のチケットも安いうちに購入。留学後はエージェントが提携している人材会社(英語を使う仕事に強みあり)を紹介してくれるという安心材料もありました(結果的にそのサービスは使わないこととなる)。費用と授業数の観点から、留学先はフィリピン一択でした。
留学までに転職先を探す時間はあったのですが、”英語・海外に関係する仕事”といっても、働きたい業界・具体的なやりたいことはなく、これは留学中の宿題にすることにしました。そして、留学に行くまでの期間は英単語の勉強に勤しみました。
退職

僕は地方銀行で働いた2年間で、病むほどの人間関係に苦しんだことも、ノルマに押しつぶされそうになったこともありません。
確かに上司から半ば強制される“お願いセールス”には嫌気がさしていましたが、9日間のアメリカ旅行に行けるほどの連休が取れ、一人暮らしなら余裕のある給料をもらっていました。衰退が危ぶまれると言われる地方銀行もマイナス金利解除、貸出金利上昇、NISA改正で個人投資家の増加⇒手数料収入増加で、“職を失う心配をするようなものではない”というのが僕の感覚です。
しかし、否が応でも、
安定したキャリア << 英語・海外への知的好奇心 となってしまったのです!!
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ということで、仕事終わりに緊張しながら上司に退職の旨とその理由を伝えました。
「ふざけてんの?」
上司はつい口が滑ったように言った直後、
「OKとりあえず分かった。
明日の朝支店長に報告しておく。おつかれさん。」
「すみません…」
とだけ言い残し僕は帰宅しました。
翌日、支店長との面談です。信頼し尊敬する支店長に退職の旨を報告することは、非常に申し訳ないかったです。僕に言いたいことはたくさんあったと思いますが、
「もう少し早く言ってほしかった」 とだけ言って、あとは静かに退職の事務手続きをしてくれました。
支店長は新卒から何十年と働いている人でした。変化を嫌う地方銀行で、これまで本部で新しい仕組みを導入し、会社を改革してきた”すごい人”です。しかし、人生にはいろんな道があることを僕なんかより知っています。頭ごなしに若者の選択を否定するような人ではありません。この人には一生かなわない、とそこで改めて思いました。
当然ながら、職場での最後の2ヶ月は気まずい雰囲気にひたすら耐える必要がありましたが、担当していたお客さんはみんな温かく背中を押してくれました。留学から帰ってきたら知り合いの大手保険会社を紹介してあげるからねと言ってくれるお客さんもおり、たくさんの素敵な出会いには感謝しかありません。
同時に、「留学、やってやろうじゃないか!」
という気持ちが心の中で静かに燃え広がっていったのです。
最後に
You Only Live Once.
人生は一度きりです。僕は「いい人生だった」と思いながら最期を迎えたいのです。失敗はしても後悔はしたくない。1回目の大学受験の失敗、就活の失敗……失敗には慣れています。
失敗は僕を柔っこくします。
失敗しないと会えない人がいます。
失敗しないと見えないものがあります。
自分の見方一つで失敗は成功に変わります。
大丈夫。やりたいことをやろう。
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こうして僕は仕事を辞めて留学に行きました。実は、この時はまだ英語を学んでどうしたいかは明確ではなく、将来のキャリアを心配するネガティブな気持ちを押し隠し、留学に行けば何か変わるだろう自分を奮い立たせていました。しかし、次のフィリピン留学でそのネガティブ思考がだんだんと無くなっていくのです。
今後の記事もお楽しみください。最後までご覧いただき本当にありがとうございます。
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